歯周病にかかりやすいのはどんな人?
私たちの日常生活には、歯周病にかかりやすくなるいろいろなリスクファクター(危険因子)が潜んでいます。
例えば食生活を例に挙げると、甘くて柔らかいものばかり食べているとプラークができやすくなり、偏食をすると栄養の摂取が不十分になり身体の抵抗力が低下します。
中でも最大のリスクファクターは喫煙です。
口の中のリスクファクター
口の中のことに関心がうすいと、口の中の清掃がおろそかになります。
柔らかいもの、甘いものばかり食べていると、プラークができやすく、また栄養も偏ります。
口で呼吸する癖があると、歯肉が乾燥しやすくなり、炎症が強まります。
歯ぎしりは、歯周組織に負担をかけ、歯周病を悪化させます。
歯並びが悪いと、プラークがたまりやすくなります。
全身的なリスクファクター
タバコ(喫煙)は歯周病の最大のリスクファクターです。
タバコを吸っている人の特長
◆歯周病になりやすい ◆歯周病の進み方が早い ◆治療しても治りにくい ◆歯が黒くなる ◆歯肉の色が悪くなる ◆口臭がある
女性の思春期、妊娠、更年期は、女性ホルモンの影響で歯肉炎が悪くなりやすいです。
糖尿病は、身体の抵抗力を低下させ、歯周病を悪化させます。
ストレスが多いと、歯ぎしりをするようになったり、身体の抵抗力が低下したりして歯周病が悪くなります。
不規則で不摂生な生活は、生活習慣病の温床です。歯周病にかかりやすく悪化しやすいです。
肥満は、糖尿病→歯周病の悪循環に陥りやすくなります。
喫煙は歯周病の最大の原因
「タバコを吸うと歯が抜ける」という説がありますが、あながちウソとは言えません。
喫煙は歯周病にかかる危険性を高めるとともに、すでに歯周病にかかっている人ではその症状を悪化させます。原因は歯肉や粘膜、肺から吸収されるニコチン、それが体内で変化したニコチン、そして一酸化炭素(CD)などの有害物です。それらが歯周病菌と戦う免疫力の正常な機能を奪ったり、傷口を速やかに治そうとする細胞の働きに「待った!」をかけるのです。
歯周病の悪化は喫煙量に比例します。しかし、意外なことに喫煙者は歯肉の発赤や腫れなどの炎症の症状が、ニコチンなどの血管を縮める作用によって強く表れず、悪くなっていることに気づきにくいのです。さらに、喫煙者は歯科治療を受けても歯肉や粘膜の傷の治りが悪いため、時間も回数も治療費も増えてしまいます。
喫煙によって口の中で様々な悪いできごとの連鎖が生じ、歯周病が悪化し歯が抜けていくことになります。
私たちが健康な状態で長生きし、できるだけ多くの歯を維持して質の高い生活を送るためにも「喫煙」が必要です。
(引用:砂書房発行「新・歯周病を治そう」)
糖尿病は歯周病を悪化させる
最近では歯周病が糖尿病の合併症であると考えられるようになってきました。つまり、糖尿病患者は歯周病にかかりやすく、またそれが悪くなりやすい傾向にあるということです。
その理由の一つとして高血糖があげられます。血液中に糖分が多いと歯周組織の破壊を引き起こし、機能を弱らせ、その結果歯周病菌に対する歯周組織の抵抗力を低下させてしまいます。
高血糖は歯肉の弾力性を保つコラーゲン繊維の成分を減らすことも解っています。
この様な原因により、糖尿病患者は歯周病にかかりやすく、さらに悪化しやすくなるのです。
(引用:砂書房発行「新・歯周病を治そう」)
女性ホルモンが歯周病に影響
思春期の第二次性徴期では女性ホルモンの分泌が過剰になり、また妊娠期や更年期にも女性ホルモンの量が変化します。女性ホルモンの分泌バランスが崩れると、歯肉の状態にも影響してきます。
(引用:砂書房発行「新・歯周病を治そう」)